IFRSの影響は大きい

IFRSの個々の会計処理、日本基準とIFRSの差異などに関する解説は、書籍等でよく目にします。しかし、IFRSへのコンバージョンをプロジェクトマネジメントの観点から解説したものは、ほとんどありません。そこで、IFRSへのコンバージョンをプロジェクトとしてとらえ、どのようにして成功させるかを考えていきたいと思います。

最初に、プロジェクトを始める前に、その影響度を測り、対応する計画を作成しなければなりません。そこで今回は、そのIFRSが与える影響について考えます。

IFRSは、企業のいろいろな側面に影響を与えます。それは、財務経理部門だけにとどまりません。それは企業内部だけでなく、外部に対しても及びます。主な影響には、次のようなものがあります。

財務経理部門

  • 日本基準とIFRSの差異を明確にする。
  • IFRS会計方針を分析、評価する。
  • 会計方針、経理規定をIFRSに準拠したものに修正する。
  • IFRSに関するトレーニングを実施する。
  • 連結プロセスやレポートパッケージを変更する。
  • 必要なマネジメント情報をレビューし、変更する。

広報、インベスターリレーション(IR)部門

  • 株主、投資家や、その他、証券アナリストなどの財務諸表を利用するステークホルダーとのコミュニケーション計画を作成する。
  • 従業員や経営層とのコミュニケーション計画を作成する。

子会社、事業部門

  • IFRSの影響度の分析をする必要がある。
  • IFRSに関するトレーニングを実施する。
  • レポートパッケージをコンバージョンする。

情報システム部門

  • IFRSのシステム全体に対する影響度を分析、評価する。
  • 短期的なソリューションと長期的なソリューションを検討する。
  • IFRSに関するユーザの要求事項を収集し、システム機能の仕様を決定する。
  • その仕様に基づき、システムを変更する
  • 新システムへ移行する。

内部監査、リスクマネジメント部門

  • IFRSが及ぼすビジネスに対する影響を分析し、リスクマネジメント方針を変更する。
  • 内部統制を変更する。
  • IFRSコンプライアンスを評価する。
  • 外部の監査人との連携を取る。

人事部門

  • IFRS実施の経験があるスタッフを採用する。
  • 業績パフォーマンスインセンティブを変更する。
  • IFRSトレーニングを実施し、変更へのマネジメントを行う。

以上のように、非常に多くの部門に影響が及びますから、単なる会計の変更ととらえず、事業、業務プロセス全体の変更であるととらえることが重要です。

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