部門で1番できる人材を活用せよ

経営戦略策定フェーズは、ITに関係なく、現状の事業をどのように変革して行くかを考えます。そして、「経営戦略企画書」を作成します。この経営改革企画書が、このフェーズの成果物であり、その後の経営戦略の方向性を決める企業の羅針盤となるものです。


経営戦略企画書の作成ば、プロジェクトを組んで実行して行きます。これは、すごいプロジェクトなのです。企業の新たな将来の方向性を決定するものなのです。企業の文化を変えてしまうかもしれません。
単なるプロジェクトではないのです。プロジェクトには、有能な人材をそろえることが必要となります。
以下は私が以前勤めていたユーザ企業で、プロジェクト要員に関し、副社長と打ち合わせを行ったときの経験です。
私「今度のプロジェクトでは、今後の重要な方針を決めるプロジェクトです。まずは経営計画部を中心に、全社的なプロジェクトを作らねばなりません。各部門より、意思決定を即断即決で進められる人材を選任でアサインしてください。」
副社長「そんなことをすると、日常業務が滞ってしまう。」
私「しかし、全員が専任ではなく、週3日程度の参加です。メンバーとなる人には、部下に任せられる仕事は任せてもらい、残りの2日で、仕事を片付けてもらえば良いと思います。ですから、日常業務が止まることもなく、プロジェクトにも参加してもらい、将来の方向性を決めることができます。ですから、最低でも、課長級をアサインしてください。また、将来の方向性を決めるのですから、現場を知り、問題意識の高い、一流の人材でなくてはなりません。」
副社長「わかった。部長たちに課長を出すよう説得するよ。」
このように、プロジェクトに関わる人材のことで、コンフリクトが起こったときは、会社の目標と、プロジェクトの目標は一致しているはずですから、共通する目標の元に、解決策を導き出すことが、必要です。
有能な人材を確保できたら、以下のような手順でプロジェクトを進めます。
1.現状の事業ドメインの確認
2.業界環境分析(外部環境分析)
3.自社の環境分析(内部環境分析)
4.SWOT分析
5.重要成功要因(CSF)の抽出
6.新事業ドメインの決定と事業価値の再定義
7.主要な事業改善テーマの決定
8.CSFの優先順位の設定
9.ギャプを埋めるための中間CSFの設定
10.戦略マップの作成(新ビジネスモデルの図式化)
11.収益構造モデルの明確化
これらの手順を、順次解説していきます。概要しますと、現状がどのようになっているかを認識し、将来の目標を立てます。現状と将来には、ギャップがありますから、ギャップを埋めるために必要な段階的な達成目標(重要成功要因)を決定します。
その重要成功要因を実行する優先順位を付け、経営改革項目とします。更に、その成功要因に対し、測定可能な評価指標と実行計画を設定し、具体的な戦略マップを作成します。
最後に、実行計画の概算予算を立て、企業の収益性がどうなるかを検討します。
ここで重要なことは、これらはあくまでものを考える1つのフレームワークであって、マスを埋めると自動的に答えが出るシンキングマシンではないということです。機械的に使うだけで、考えようとしなければ、何も生み出すことはできないのです。これは、覚えておいてください。
手順を説明する前に、企業の戦略とは何かを考えて見ます。企業の戦略は、「競争に成功するためのセオリー」であると定義すると、いかに競争優位を構築するかということが重要になります。
競争優位とは、その企業の行動が経済価値(顧客価値)を生成しており、同様の行動をとっている競合企業がほとんど存在しない場合に成立します。従って、その企業が最先端(エッジ)企業でない限り、競争優位は成立しません。
競争優位を確立するためには、企業のミッションが重要な役割を果たします。企業ミッションの構成要素としては、
1. 目標(そのミッションがカバーする事業ドメインでどのような顧客価値価値を創造するか、またその測定可能な業績ターゲット)
2. 戦略(目標を達成するための手段)
3. 戦術(戦略を実行するためにとられる行動)
があり、1つが欠けても、目標は達成できません。
これを頭に入れておき、今週は、最初の、現状の事業ドメインの確認についてお話します。
事業ドメインとは、「企業または組織が事業を営むために選択し、集中すべき範囲・領域」を示しています。これを定義するには、現状顧客、そのニーズ、自社の競争力の源泉としてのノウハウという3つの要素について考えます。
すなわち、誰に(現状顧客)対して、何を(ニーズ)、どのような独自のやり方(ノウハウ)で、事業を展開しているのかを考えることです。
現状顧客が広範囲にある場合は、地域別、産業別、業態別、規模別、製品別等のセグメント化が必要になります。そのセグメントに対し、ニーズとノウハウを確認していきます。
現在の事業ドメインで、どのような価値をどんな顧客に提供している企業なのかをまとめます。この認識が今後の戦略策定の基礎となります。
詳細は、いろいろな経営戦略本にかかれてありますので、そちらを参照してください。

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