戦略情報化企画には、新技術の動向を把握することが必要

情報化企画には、将来のITに対する必要条件をまとめなければなりません。そのためには、新技術の動向を把握し、情報を集めなければならないのは、言うまでもありません。
先週のビジネスプロセスに関する関連した新技術の発表がありましたので、今回は、それをベースに考察します。
その新技術とは、


Business Process Platform
これは、技術と言うより、基幹システム構築に対するSAP の提唱する新しい考え方なのです。SAP は、エンタープライズサービスアーキテクチャという考え方の元に、NetWeaverを推進していましたが、Business Process Platformは、さらにこの考え方を進化させたものです。
SAPは、2007年までにSAPアプリケーションをすべてこのプラットフォームで動くよう移行させる方針です。
これによって、SAP のもっているビジネスプロセスを汎用性の高いコンポーネント化し、既存システムとの連携により、再利用可能なプロセスとすることができるようになります。
また、SAP のプロセスに、実行可能なプロセスを開発して組み合わせることにより、独自なビジネスプロセスを構築することも可能となります。当然、開発済みのプロセスを組み合わせることも可能です。
プロセスのテンプレート化のことを取り上げましたが、まさに、アプリケーションレベルでも、今までのように追加開発をしたり、既存システムとインターフェースをとるというようなことから、よりシームレスな連携が可能となり、プロセスのワークフロー化ができることになります。
さらに、環境の変化に対応し、プロセスを変更して、ITでのサポートも容易になります。
概要はこれくらいにして…元SAPとは言え、決してSAP 紐付きではありません。
詳細を知りたい方は、インターネットで検索して見てください。ただし、SAP ジャパンのHPへ行っても記載されていません。まだ計画だそうで、カガーマン会長のインタビュー記事が載っています。
   IT Media
ちなみに、このカガーマン会長は、気さくなおじさんで、彼が会計モジュールの開発ディレクターをしていたときに、話をする機会がよくありました。Sapphire
Tokyo というイベントで来日した際、日経からのインタビューに同席し、インタビューアがよく理解できるよう、日本語でヘルプせよとおおせつかったこともあります。
話がそれましたが、元に戻します。
この技術を使って将来のシステム構築をするとした場合、情報化企画で考慮しなければならない点は、何でしょうか。
最も大きな問題は、新技術をサポートできる人材を社内でどう育てて行くのか、外部ベンダーを使用するならば、サポートできるコンサルタントの量と質はどうか、ということです。
従来のERP コンサルタントは、アプリの機能を説明し、「こういうことができます」、「実現するにはこうします」とモジュール単位で活動してきました。もしこのBusiness Process Platform が主流になるならば、コンサルタント自体も、ビジネスプロセスの理解というビジネス運営の側面と、どう開発して行くかという技術的な側面の両方が、求められるようになります。
どちらが欠けても、コンサルタントとしては、使えないようになるのではないでしょうか。(現在でも機能を理解していないコンサルタントは多数いますが….)SI系、ソフトハウス系のコンサル経験を持つコンサルタントの方は大丈夫だと思いますが、最初からERP ベンダーのコンサルタントの方は、心配です。
本家本元のSAPのコンサルタントが変革できるか…
以下の例は、要件定義がまったく進まない企業を訪問したときの話です。A 社は、SAPを導入するに当たり、システム子会社B社にASP としてすべてを任せる方針でした。
私「どういう状況なのですか。」
A社 部長「要件定義がまったく進まないのですが。何度、ビジネスプロセスを説明しても、B 社のコンサルタントは理解してくれない。」
B社 部長「私たちは、ASP 事業をこれから展開するよう企画段階であり、SAP の技術者がいません。それを承知で、本社が押し付けてきたものです。ですから、私たちは、要件定義をC 社に丸投げしています。B 社の技術者も教育のために、要件定義の場には、参加させています。」
私「ということは、問題は、C 社のコンサルタントですか?(本当かな…)」
その後、C社を降ろし、B 社がASP事業を展開する提携先として選んでいるSIベンダーのI 社がすべてを引き受け、要件定義を続行しました。
また、最近オラクルに吸収されたERP製品で会計を導入しようとして、5年開発を続けているというユーザ企業を訪問したこともあります。
そこでは、要件を言われるままに追加開発を継続して、今に至っているのですが、ビジネスをサポートしきれていない状況でした。ベンダーの方が、ついに根をあげ、「SAP で構築し直しましょう」と提案してきたそうです。当然ながら、開発に投資してきた数億円の処理をめぐって、訴訟寸前のところまで行きました。
この企業は、現在、SAP で会計を再開発進行中で、もうすぐ本番稼動を向かえます。
両企業とも、情報化企画の段階で、使用を想定する技術に対するサポートを十分に検討していれば、このようなことにならなかったのではないでしょうか。

戦略情報化企画には、新技術の動向を把握することが必要” に対して1件のコメントがあります。

  1. 古澤 昌宏 より:

    大砂古さん、お久しぶりです。
    うーん、もうBPPのことに言及されてしまって、私の立つ瀬がない(笑)
    先日、NetWeaver Advisory Officeのディレクタが来日したので、BPPのことを突っ込んで議論してみたんです。他の参加者を置き去りにして30分くらい。でも、まだ納得できず、理解もできてないので、書くのを控えています。もう少し勉強したら…
    これからも刺激的な記事をお願いいたします。

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