BPMには業務部門とIT部門の意識改革が必要

今回は、デザインしたビジネスプロセスをどのようにしてシステムに落とし込むかを考えます。
まずは、その変遷。
実際のビジネスを情報システムに投影しようとする取り組みには、1970年代に提唱され、データベース設計などの際には現在でも利用されているER(Entity Relationship)モデルをはじめ、データフロー図(DFD)、オブジェクト・モデリングなど、さまざまな手法が開発されてきました。


ですが、システム開発手法の手続き型言語からオブジェクト指向言語への変遷、統合型アプリケーション開発(CASE)ツールの台頭と衰退、パッケージ製品の台頭等々、システム側の開発形態が紆余曲折をたどったこともあり、定番と言えるようなビジネスプロセスのモデリングならびに実装手法は長らく確立されてきませんでした。
とはいえ、オブジェクト指向の多数のモデル表記法を統一化したUML(Unified Modeling Language)が1997年にOMG(Object Management Group)の標準として認定されたことによって、状況は変わりつつあります。2003年ごろからは、EAIベンダー、アプリケーション開発ツール・ベンダー、ERPベンダーなどがこぞってBPMを前面に打ち出すようになっており、にわかにビジネスプロセスのデザインを支援する記述言語やツールに関心が集まり始めているのが現状です。
ユーザー側にとってみれば、「ビジネスプロセスをそのままのかたちで投影した情報システムを構築する」ということに対する敷居が下がりつつあるわけです。
現在、BPMツールとして提供されている製品では、ビジネスプロセスのモデリングとビジネスプロセスの管理という2つの機能がサポートされています。提供される具体的な機能には、以下のようなものがあります。
■ビジネスプロセスのモデリング
 ・プロセス定義
 ・データ構造の定義
 ・アプリケーションの登録
 ・アプリケーション属性の定義
■ビジネス・プロセスの管理
 ・プロセス・モデルに基づく制御
 ・期限切れ作業の通知
 ・アプリケーションの起動とデータ交換
 ・プロセスの実行状況のモニタリング
 ・実行プロセスの履歴管理
また、BPMツールの中には、BPEL4WS(Business Process Execution Language for Web Services)、BPML(Business Process Modeling Language)といったビジネス・プロセスの記述言語を自動生成し、.NETやJ2EE(Java 2 Platform, Enterprise Edition)のコンポーネントと連携させることができるものもあります。
そのほか、UMLコードからJ2EEアプリケーションを自動生成する開発ツールなども登場しており、ビジネス・プロセスのモデリングからシステムへの実装、そしてプロセスの実行制御、変更管理までをもカバーする環境が整いつつあります。
しかし…
ビジネス・プロセスのデザインにあたっては、経験豊富で深い業務知識を持つ業務担当者の関与が不可欠ですが、それにも増して、ビジネスゴールと差別化のポイントを明確に示す経営者のビジョンを引き出すことが重要です。この点は、これまでに何度も説明してきました。
今後5 年以内に、多くの企業がビジネスプロセスのモデリングと管理を、IT部門の重要なミッションと位置づけるようになると考えています。これは、「業務(ビジネス)は事業部門が考え、システムはIT部門が考える」という、従来型価値観の終焉を意味するものです。
CIOは、このような時代を見据え、ビジネスとITの架け橋となりうる人材の育成はもとより、IT部門と事業部門との人的交流やコミュニケーションの強化、経営者、事業部門およびIT部門の意識改革を行うことが必要になると思います。
ここに、我々ITコーディネータのCIO補佐としての存在理由があると考えています。
また、これまで何度も説明してきたように、ベンダー側のコンサルタントも変容を迫られます。ユーザ企業に増して、IT技術的な側面と、業務的なビジネスの側面の両方が必要となってきます。

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