プロジェクトは人なり

いきなり、質問です。
あなたは、他のチーム、メンバーが行なっていることを把握していますか?
小規模なプロジェクトでは当然把握できていると思います。しかし、複数のチームが編成され、中規模、大規模になればなるほど、他のチームが行なっていることが見えなくなってきます。
これを避けるために進捗会議などが持たれるのですが、それでも週1回程度です。他のチームと連携した作業をする場合は、頻繁にミーティングを持たなければなりません。


ある石油輸送業でのERP導入の時の話です。このプロジェクトは、ERPといっても、会計(財務会計、管理会計)を導入し、同時に、将来ロジスティックスモジュールを導入するかどうか検討するというプロジェクトでした。
財務会計と管理会計、ロジスティックスのチームが編成され、それぞれ業務要件を詰めていました。管理会計チームの業務要件は、どうしてもロジスティックスに左右されます。また、組織設計にも左右されます。
これらを他のチームに対する要望と言う形で進捗会議に提出していたのですが、業務要件の決定が他のチームの対応に依存してしまうことで、業務要件の最終決定が進みません。
そこで、週1回の進捗会議とは別に、毎日メンバー全員参加の朝礼を行なうことにしました。時間は15分と決め、内容は、
チームリーダーから昨日の作業の結果報告と、本日の作業予定の説明を行なう、
各チーム1人ずつ代表で、プロジェクト関係以外の内容で1分間スピーチをする、
その他連絡事項を調整する、
ということで始めました。これがプロジェクト終了まで毎日繰り返し行なわれました。
この朝礼は、チーム間のコミュニケーション促進を目的に始めたのですが、思わぬ副産物を残しました。
チーム間の課題解決がよりスムーズに行なわれるようになったのは当然ですが、他のメンバーとのコミュニケーション促進も図られました。
1分間スピーチが思わぬ効果をもたらしたのでした。プロジェクト以外の話題に限定しましたから、各自、趣味のこと、家族のこと、過去の経験談、など趣向を凝らした話題を取り上げていました。
これにより、個々のメンバーの性格、考え方などが分かり、メンバー間の近親間が醸成されました。
「この問題なら彼に聞け」というように、思わぬエキスパートを見つけることもできました。
PMBOK流に言うなら、人的資源マネジメントの一環で、チーム育成ということになります。情報を全体で共有することで、互いに助け合う環境が整ったということです。
プロジェクトマネジャーとメンバー間だけではなく、メンバー同士のコミュニケーションを促進させ、いち早く、Normingの状態を作り出すことができたのです。
ちなみに、プロジェクトチームの状態は、当初、Forming(お互い他を知ろうとする)、そしてStorming(自己主張が出てきて時には対立する)、最後にNorming(お互いの違いを認識し、協調するようになる)と変化していきます。
このプロジェクトは、人に負うところが多いということを再認識させられました。プロジェクトは、人が行なうから当然といえば当然なのですが。

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