プロマネに任命されたら、まずステークホルダーを特定せよ

実行計画書が承認され、いよいよ、プロジェクトの立ち上げです。この段階で、皆さんがプロジェクトマネジャーに選任されたら、まず何をしますか?
プロジェクトの目的を確認する?
制約条件、前提条件を確認する?
スコープを確認する?
概算予算を確認する?
確認すべきことはたくさんあるでしょう。


しかし、まず、最初にしなければならないことは、
ステークホルダーを特定して、その役割を決める
ことだと考えます。なぜなら、プロジェクトは、ステークホルダーが満足すれば成功だということができるからです。ステークホルダーを把握することは、何もプロジェクトの立ち上げフェーズだけではなく、プロジェクトの全期間を通して継続して、行なわなければなりません。
ステークホルダーとは、PMBOK第3版によれば、「プロジェクトに積極的に関与しているか、またはプロジェクトの実行または完了によって自らの利益がプラスまたはマイナスの影響を受ける、個人および組織。プロジェクト・ステークホルダーもまた、プロジェクトとその要素成果物に影響を及ぼす」(PMBOK第3版 p.385)と定義されています。
分かり辛い文章ですが、要は、社内外のプロジェクトから影響を受ける、またプロジェクトに影響を及ぼす個人、組織を意味しています。
立ち上げフェーズでは、まず、プラスの貢献をしてくれる人たちを特定することが必要です。
プロジェクトマネジャー、プロジェクトスポンサー、承認をする立場のマネジャー、顧客、プロジェクトチーム等が当ります。ベンダーの立場であれば、営業員も入ります。
当然、広い意味では、これら以外にもステークホルダーは存在しています。例えば、最近話題の郵政公社民営化で民営化のためのITプロジェクトであれば、政府、政治家なども入ります。
余談ですが、郵政公社民営化で民営化のためのITプロジェクトでは、SAP R/3を用いた会計プロジェクトが進んでいました。法案が否決された今、このプロジェクトはどうなるのでしょう?
これらのステークホルダーのプロジェクトに対する期待値を確認し、プロジェクトにおける役割を決定しなければなりません。また、期待値にずれがあり、そのずれを調整することも必要です。
特に、ベンダー系の皆さんなら、顧客の期待していることと、営業から聞いた内容が異なり、右往左往した経験があるはずです。私もその1人です。(笑)
某中堅化学企業は、CRMを導入したいと考えていました。CRMがもてはやされた初期のころのことです。この企業はフィージビリティスタディを行なうため、パッケージベンダーに発注しました。ベンダーのAさんがプロマネに任命され、営業から聞いた内容で、プロジェクトメンバーを選定しました。
顧客とも話し合い、計画を立て、要件確認をスタートしました。ところが、顧客がやりたいことと、メンバーのスキルが異なることに気がつきました。
営業からは、インターネットセリングをやりたいと聞き、人選したのでした。しかし、顧客がやりたいことは、もっと広く、インターネットセリングは、一部分であり、SFA、情報共有、マーケティング分析などが必要であり、この知識、スキルを持ったメンバーがいません。
最悪なことに、CRM自体が初期のころでしたので、社内のコンサルでCRMのスキルを持った者がいない状態でした。
Aさんは上司に相談すると、上司から、「やっぱり、営業の情報は間違っていたか。Aさんの経験、人脈を利用してメンバーを追加してくれ」とのこと。
おいおい、そういうリスクがあるなら、最初から教えておいてくれ。社内にスキルを持ったコンサルがいないから相談しているのに、上司は動いてくれないのか。
結局、このプロジェクトは没。ステークホルダーを特定し、その期待と役割を定義しないままにプロジェクトを開始してしまったことが原因です。
プロジェクトは、最初が肝心です。ボタンの掛け違いが最悪の結果をもたらしてしまいます。
そういう意味で、プロジェクト立ち上げフェーズは、プロジェクトの骨格を決める定義フェーズであると言い換えることができます。

プロマネに任命されたら、まずステークホルダーを特定せよ” に対して1件のコメントがあります。

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