情報化資源調達の成功には、適切なプロセス定義が必要

情報化資源調達では、実際に入札に移る前に、SOW(Statement of Work)、作業範囲記述書と言うものを作成しなければなりません。
これは、プロジェクトからの要求事項をまとめたものです。必ずしも、発注側で作成しなければならないというものではありません。場合によっては、納入者側で作成しても良いものです。
しかし、実際には、これさえない場合もあります。


私が独立後に会った、ある企業の情報システム部長の話です。この部長は、実施するプロジェクトで大手コンサルティングベンダーのA社を選定し、非常に安い価格で契約できたと喜んでいました。案件的には、システムの現状分析でした。
実は、この企業、今まで情報システム構築は、すべてホストのハードメーカーのSEにすべてを行なわせていました。独立コンサルティング会社に発注するのは、今回が初めてでした。ちなみに、調達支援を提案していたのですが、私自身が受注に失敗した案件でした。
部長曰く、パートナーがプロマネをしてくれるし、それなりのシニアメンバー3人が常駐してくれて、この価格だと、非常に満足していました。
これを聞いた時、
えっ、ウソだろう?
パートナーがプロマネ?シニアメンバー3名が常駐?
これじゃ、ベンダーは大赤字ではないか!
次のシステム開発プロジェクトを取り、利益を上げる戦略か、
と思ってしまいました。
それから1ヵ月後に訪問した時、この部長が、怒っていました。
なぜか?
パートナーは、週2日程度しか来てくれないし、メンバーもジュニアに交代して常駐しているとのことで、提案書と内容が違うとのことでした。
仔細を聞くと、契約は請負契約で締結しているとのこと。また、A社選定理由は、ネームバリューと費用と言うことでした。
これでは…請負契約ならどの様なメンバーを使おうが…成果物ができればよいのではないかな。それにしても、A社は露骨なことをする。
この企業の問題点は、事前に、プロジェクトの要求事項を明文化していないことです。また、調達先選定の評価項目を明確にしていなかったことにもあります。
明確に、調達プロセスを定義して、それを実行するという考え方がなかった結果であると言うことができます。
ちなみに、今作成中のテンプレートでは、購買プロセスとして、定義しています。すぐに使えるテンプレートですから、皆さん、使って見てください。
SOWを作成し、プロジェクトの要求事項を明確化して、さらに、選定過程では、その要求事項に対する適合度を評価基準にしなければなりません。また、評価基準には、ソリューションの内容、プレゼンの仕方、その他諸々の項目が含まれます。費用は、その1項目にしか過ぎません。
極端な例ですが、あるエレクトロニクス大手企業では、すべての購買プロセスが定義されていました。SOW自体はありませんでしたが、ちゃんと、RFPの中で、要求事項という項目があり、明確に記載されていました。さらに、RFP説明会でも、評価項目と、配分点数まで開示してくれました。
選定結果も、当選、落選だけではなく、望めば、選定理由も教えてくれるという状況でした。
プロセスは、非常に公正に行なわれ、例え落ちたとしても、悪い印象を持つようなものではありませんでした。(実際には、落ちてしまいましたが)

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