ERPは経営の道具

ERP導入の目的は、何であろうか。
導入企業により、さまざまな理由があろうと思う。
一般的に言われる効果は、
業務改革の推進、
スピード経営、
グローバル対応、
情報の共有化、
開発・保守コストの削減…であるが、本当か?


SAPジャパンのSapphire Tokyo 2004でSAPより公開された資料の中に、2003年度にSAPジャパンユーザ会が実施したアンケート結果がある。
それによると、定量的効果としてあげられているのが、
人員削減(40%)
データ運用費用の削減(34%)
経費削減(26%)
棚卸資産の圧縮(20%)
となっている。
方や、定性的効果としてあげられているのは、
情報の共有化(81%)
業務の標準化(70%)
月次決算の早期化(59%)
各種データの取得スピード化(54%)
システムインフラの強化(48%)
重複業務の排除(46%)
ペーパレス化(38%)
情報システム部門の質の変革(26%)
システムインフラの均一化(21%)
各種基準の正常化(19%)
意思決定の迅速化(16%)
等々となっている。
これを見ると、圧倒的に定性的な効果を上げている企業が多い。中には、定量化できるものも含まれている。
例えば、月次決算の早期化とか。何日短縮するかを具体的に定量化できるものである。
私が経験したプロジェクトでは、月次決算の早期化を目標として掲げながら、実際には、レガシーとのインタフェースを多数作り、レガシー側の締め日を変更しないといったお粗末なものもあったのは事実である。
この結果は、逆に言えば、ERP導入の目的を定量化できていない企業が多いことを示している。これは、高い買い物をしたのを自分で納得させている、いわば自己満足の世界でしかない。ROIもへったくれもないのである。
さらに、視点を変えれば、これらの効果としてあげられているものは、すべて経営者側の論理を示している。現場の満足をあげているものは1つとしてない。
ERPは、「経営の道具」であることを如実にあらわしいると言えよう。間違っても現場の道具ではないのである。

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