全社レベル統制はどのようにするか

11月21日についに正式な実施基準の公開草案が出ました。
企業会計審議会内部統制部会の公開草案の公表について
公開草案に対する意見を12月20日まで求め、その後正式実施基準とされます。
今回は、公開草案に沿って、会社レベル統制の評価手順を見てみたいと思います。
会社レベル統制の評価は、以下の手順で行います。
1.評価対象会社の選定
2.回答依頼対象者の選定
3.質問表の作成
4.調査ツールの選定
5.評価基準の確定
6.分析方法の確定
7.調査実施
8.回答回収、集計、分析
9.評価実施
10.改善項目抽出
11.改善実施
効率的に調査を行うキーとなることは、調査ツールにどのようなものを使用するかです。


対象会社が数百社になることもあり、また回答依頼者をその会社のトップレベルだけに限ったとしても、その数倍になります。
私が前の会社で担当していた企業は、会社レベル統制の対象会社数が、全世界で、160だそうです。
前回も書きましたが、今回の公開草案で、持分法適用会社も対象になっています。なぜ支配権の及ばない会社も範囲とするのでしょうか。対象外にすることもできますが、ちょっと疑問に思います。
回答依頼者を経営者等トップレベルに絞るのはどうかと思います。
経営者の思いが各部に十分いきわたっているとは言いがたいのが常ですから…
課長以上など役職者以上に絞ったにしても数十倍になると思います。
エクセルで質問表を作成し、紙で配布し、回答を記入してもらい、それを回収して集計、分析をする…
このようなことを行っていたのでは、集計、分析だけで数ヶ月かかってしまいます。
インターネットを利用して調査を行うツールがあります。このようなものを使用することで、回収、集計が短時間で可能です。現在、この調査ツールを公開することを考えています。有料ですが…(本業のほうが忙しく、こちらまで手が回らないのが実情です)
また、多くの企業で、会社法に対応するために、内部監査を中心として既に評価、改善を実施していると思います。そのような企業では、監査との調整を含め、調査を一本化することが必要です。
回答をする立場として、同じような質問が監査と内部統制整備プロジェクトの双方から依頼されるのでは、たまったものではありません。
評価項目は、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、ITへの対応の6項目です。これらの項目を細分化し、質問項目を作成します。
回答も、○×方式よりは、5段階で回答してもらうほうが良いと思います。そうすることで、各項目で、どの程度の有効性があるか判断しやすくなります。また、自由にコメントをつけてもらうことも必要です。不備が発見された場合に、どのような改善方法があるか、その対応方法を考えやすくなります。
評価を実施し、「特に有効」「有効」「有効でない」と判断しなければなりません。公開草案には、これらの基準を明確にはしていません。したがって、各企業で、調査をする前に、評価基準を設定しなければなりません。
重要拠点では、財務報告プロセスを文書化対象にすればよいのですが、それ以外の企業では、文書化の対象としていません。したがって、重要拠点とされなかった企業に対しては、追加で、財務報告プロセスに関する質問を作成しなければなりません。
以上のような形で調査を実施し、会社レベル統制の評価を行います。公開草案では、会社レベル統制の評価結果を受けて、業務プロセスの対象範囲を決定するとなっています。
したがって、会社レベル統制の評価は、まず初めに行わなければなりません。
しかし、実質的には、業務プロセスの評価とある程度、同時並行的に進めなければ2008年4月以降の初年度対応ができないのではないかと思います。
会社レベル統制の評価だけでも、すぐに4,5ヶ月経ってしまいます。この期間を待っているようではプロジェクトは収束しません。

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