大変だぞ!マニュアル統制の運用テスト

先週まで、ある企業の整備状況の評価を受けて、統制の改善度合いを測る支援を行っていました。
この企業は、上場企業ではありません。2年後の株式公開に向けての準備を行っているところです。
今回は、この企業での体験を元に気づいた点を中心にします。
この企業の内部統制構築に対する姿勢は、真面目で、経営層以下皆さん内部統制に留意して業務を行っています。昨年12月より、整備状況の評価でエラーとなった統制を中心に改善に取り組んできました。
で、今回改善度合いを測ることになったのですが、その方法として、前半ウォークスルー、後半運用テストのような形で行いました。テスターの半数が、私も含めて新規に参加しているためです。


また、あるリスクに対して、担当者が金額、内容、勘定科目、計上日などをチェックし、上長が伝票を承認するというような2つの統制で対応されている場合、通常は、どちらか強い統制をテストすれば良いのですが、今回は、改善度合いを測るために、両方ともテストしました。従って、プロセスにあるほとんどの統制をテストすることになってしまいました。
まず最初に、テストの母集団を特定するのに四苦八苦。
上場前企業にありがちな、ITがうまく活用されていない状況です。総勘定元帳に転記されている伝票から母集団を特定して、それに関連する証跡を集めることができませんでした。例えば、売上伝票から請求伝票、そして受注伝票に遡ることができず、逆からの母集団特定作業となりました。
伝票間の関連がシステムに保存されておらず、すべて紙の上での特定でした。この特定作業自体は、テスターではできませんので、企業の方にお願いして、関連する伝票、証跡に付箋を貼る作業をしてもらいました。
従って、母集団の網羅性が担保されているかどうかは、不明です。
今回のテストは、1ヶ月間を対象にしたものでしたが、1年を対象としたテストを実施するとなると…寒気がしてきます。
改めて、ERPのすごさを見直した気がします。
SAPって、活用できてれば楽だぞ!と。
次に、プロセスの統制がほとんどマニュアル統制で、IT依存統制、アプリケーション統制がほとんどありません。
システムは、部門で独立して使用され、手作業による各システムの連携がなされている状態です。会計システムは、ERPと称しているあるベンダーの会計システム(○○○行)のみが導入されているのですが、摘要を読まないと他資料との関連が分かりません。
従って、伝票内容と、関連資料を特定し、それらの内容を照合するのはもちろんのこと、担当者に質問しながら、再実施したりと。中には、当然ながら合算で伝票が起票されているものもあり、電卓をたたいて金額を検証したり。
うまくシステムを活用できていれば、ここまでやらなくて済むのに…と思いながらのテストでした。
昨年は、SAP R/3を導入している企業での内部統制構築を支援しましたが、今回は、ほとんどシステムが活用されていない企業での支援でした。両極端を経験したわけです。
むしろ、今回の企業のようなところが多いのではないかと思います。そう考えると、内部統制構築が一段落したら、再度IT化特に、ERPが見直されてくる時期が来るのではないかと思います。
それは、運用テストを効率的に行う目的ではなく、やはり、業務の効率化を目的として、その副産物としての運用テストの効率化がもたらされるという観点で。(IT全般統制が有効であれば)

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