内部統制整備プロジェクトはプログラムマネジメント

10月に入り、本格的に日本版SOX法対応内部統制整備プロジェクトが動き出している企業が多くなってきています。
私のブログでも、アクセスする方の検索キーワードの構成ががらりと変わりました。今までのプロジェクトマネジメント関連キーワードから内部統制関連のキーワードへの変化です。
さて、適用初年度である2008年4月まであと1年半しかありません。
残りの1年半を十分だと考えるか、短いと考えるかは、その企業の環境によります。
対象となる重要勘定の数、対象拠点の数が問題となります。
関係会社がほとんどない上場企業は少ないでしょうから、多くの拠点でプロジェクトが同時進行しなければ、到底間に合わないと私は考えています。
それまでの期間は、準備段階として、内部統制の不備を洗い出し、改善しなければなりません。適用初年度までに本格運用できる体制を整え、2008年4月以降の決算と同時に、内部統制報告書を作成しなければなりません。しかも、やるべきことは非常に多く複雑です。


内部統制整備には、3つのレベルがあります。会社レベル統制、業務レベル統制、IT全般統制です。これら3つのレベルと、対象拠点のマトリックスの各マス目の数だけプロジェクトを実行することになります。すなわち対象拠点数 x 3のプロジェクトが進行するわけです。
現在私が支援している企業では、来年3月までに本社の内部統制評価を行い、作成した文書をテンプレートとして、関係会社展開をする予定にしています。本社レベルでは、来年度は、関係会社支援と本社の改善実施を行うことになります。
今からプロジェクトを行う企業は、果たしてこの手法が取れるでしょうか。
単一の事業で、業務が標準化されていれば文書をテンプレート的に使用することができます。しかし、複数の事業で、しかも拠点ごとにプロセスが異なれば、テンプレートとして使用することができません。
さらに、関係会社が海外の場合は、その国の法制度、言語などが絡みます。SOX法に準拠する内部統制を制度化しているのは、アメリカと日本だけではありません。現在は、主要な国々では、それぞれ独自な企業改革法による内部統制を義務付けています。それらも考慮しながらプロジェクトを進めなければなりません。
実施基準が出ないことにはプロジェクトが始められない企業が50%近くもあるという情報もあります。そんな悠長なことを言ってていいのでしょうか。1部には実施基準公開が遅れているから、適用初年度が伸びるという噂もありますが。
日本版SOX法に対応するプロジェクトは、いわばお尻が決まっているプロジェクトです。スケジュールを立てるにも、リバーススケジュールでマスタスケジュールを作成し、詳細スケジュールをそれに当てはめる形で作成する方法が必要です。
例えば、方針、スコープ、計画を2ヶ月程度で作成し、実行に入り、10ヶ月程度で文書化、評価を行い、残り半年で改善実施と再評価を行うというような感じです。
また、前回も書きましたが、プロジェクト全体を通して、どの段階でどのような情報が必要になるかを考えた上で、個々のWBSの品質定義を行い、手戻りを防がなければなりません。特に時間がかかる文書化の段階でのやり方がプロジェクトを左右すると言っても過言ではありません。
多くの人員を投入して時間を短縮すると、文書の品質レベルをある水準に保つことが困難になり、逆に少数精鋭で行うと品質レベルは保てても時間が長くかかります。
とにかく今からプロジェクトを始める企業は、しっかりとした計画を立て、実行も、単一プロジェクトマネジメントだけではなく、プログラムマネジメントもできる人材が必要になります。

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