内部統制のコントロールポイント

洗い出したリスクポイントに対して、どのようなコントロール(統制)が行われているかを明確にしなければなりません。
コントロールというのは、業務処理に第三者がどのようなチェックを行っているかということです。
処理を行ったスタッフが自ら判断して、次の処理へまわしている場合は、コントロールされている状態ではありません。
そのためには、まず、業務フローからどこにコントロールポイントがあるかを明確にします。
そのポイントで、上長が承認をしている場合、上長は、どのようなタイミングで、承認するに際し、何を証拠書類として使用して、何をチェックしているかということを明確にしなければなりません。またその承認が、企業が規定する権限に合致しているかどうかも明確にしなければなりません。
これは、いわば、上長のノウハウを文書化しているのと同じです。ここまで明確に業務マニュアルを作成している企業はほとんどないのではないでしょうか。
ほとんどの場合は、「○○スタッフが、××書を起草し、上長の承認を得る」というような書き方になっているのではないでしょうか。


次のような場面を想定してみましょう。
阪神xxxx株式会社を取引先として、あなたの企業は、製品を販売しています。ある月に与信限度を超えて販売してしまいました。与信限度を超えて出荷するには、部長承認が必要です。あなたは、営業担当者として、部長へレポートし、承認を得なければなりません。
こういう場面のコントロールポイントはどこにあるでしょうか。
まず、与信限度設定のポイント。与信限度は、回収済渡を考慮して決定します。30日済渡であれば、月額取引高の2倍というような感じです。そして、今後の取引高の増加を見込んでも与信限度が妥当かどうか判断しています。
次に、月末。売掛金残高と当月出荷額の合計が、与信限度を超えていないかどうかの判断をします。そこで、例えば、与信限度の70%を超えていると、営業担当者に与信限度見直しの警告が発せられる。営業担当者は、この状態が一過性のものか、継続するかを判断し、与信限度の見直しをすると思います。
次のポイントが、与信限度を超えた注文が入った時。受注センターから営業担当者へ出荷するかどうかの打診をすると思います。或いは、与信限度を再設定するまでは出荷停止すると思います。
しかし、営業が強ければ、そのまま出荷ということも考えられます。営業担当としては、出荷停止をすれば、取引先との関係悪化、自分の目標数値との兼ね合いを考慮して、出荷継続と判断するかもしれません。この判断には、仮に取引先が倒産した場合の貸倒損失を暗黙の内に考慮していると思います。
このポイントでの出荷の判断は、誰が行うのかが明確でなければなりません。
最後は、部長の承認ポイント。ここでは、純粋に貸倒損失を考慮して判断していると思います。
ところが、ここで部長が、「俺は巨人ファンだ。阪神xxxxという名前が気に入らん!」といって却下してしまったらどうでしょうか。
こんな極端な例はないと思いますが、コントロールポイントで考慮すべき事項とまったく関係ないもので承認、不承認の判断がなされたらコントロールになっていません。
内部統制プロジェクトでは、このようなことを浮き彫りにします。
ちなみに、例としてあげた場面ですが、これは、ある企業で本当にあった話です。

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