内部統制プロジェクトのスコープ決め

今回は、スコープをどのように決定するかを扱います。
日本版SOX法の目的は、公開される財務諸表の信頼性を確保することです。財務諸表は、単独ベースではなく、連結ベースが前提となります。
従って、連結対象関係会社がすべて対象となります。当然、日本国内だけでなく、海外子会社等も含まれることになります。
考えなければならないポイントは、海外子会社が多数対象となる場合、コミュニケーションのベースとなる言語を何にするかです。
文書をすべて日本語で作成して、それを強要するか、標準文書を英語で作成して、それを各国語に翻訳するかを考えなければなりません。


例えば、IT全般統制を考える際に、COBITのようなフレームワークを使用するのであれば、標準文書を英語で作成し、各国語に翻訳する方が良いかもしれません。
プロジェクトマネジメント方法論も、単独のプロジェクトではなく、子会社のプロジェクトを統括するよう、プログラムマネジメントの要素が求められます。
本社にプログラムマネジメントオフィスを設置し、各プロジェクトの調整をしなければなりません。また、本社と子会社のプロジェクトにおける役割分担なども明確にしなければなりません。
特に、今回のプロジェクトは、最終的に、監査法人の監査を受けなければなりませんから、プロジェクトの品質を確保するためにも、今一層のプロジェクトマネジメント文書が必要になります。プロジェクトの成果物だけではなく、マネジメントをどのように行い、品質を確保したかを説明できなければなりません。
PMBOKでいうxxxマネジメント計画書です。どのようなものか分からない方は、私のプロジェクトマネジメントテンプレートであるPM123 プロジェクトのマネジメントを参考にしてください。
もう1つのスコープである、対象業務の絞込みも行わなければなりません。
これは、財務諸表の勘定科目ベースに行います。
どのような業務プロセスを経て勘定科目へ仕訳が転記されているのか明確にしなければなりません。
考えるポイントは、勘定科目に現れてこない業務を対象とするかどうかです。日本版SOX法対応が目的であれば、スコープ外と定義しても良いでしょう。また、全業務を対象として、第1フェーズは対象となる業務を扱い、第2フェーズでそれ以外の業務を対象とする、というようなフェーズ分けを行っても良いかもしれません。
対象となる業務が分かれば、次は、その優先順位を付けます。これは、勘定科目の構成比率を参考にすればよいと考えます。
ただし、悩ましいことがあります。例えば売上高を構成する業務を考えてみれば分かると思います。
売上は、受注があって始めて業務プロセスが動き出します。しかし受注前に何もしないということではありません。当然受注活動があります。これは、財務諸表には現れてきません。
受注以降のプロセスが適切でも、受注前に談合のような不正があればビジネスとしては適切ではありません。
このような業務をどちらに含めて扱うかを決めなければなりません。

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