業務をチェックする体制とは

ITを活用することで、日本版SOX法に対応し、日常業務を正確にチェックできる体制を構築するためには、何が必要でしょうか。
全従業員に対しては、法令順守の意識向上を促さなければなりません。カネボウ、ライブドアなどの粉飾決算はもとより、遠くは雪印食品などの偽装などを公然と行うような風土を排除しなければなりません。
内と外を使い分け、社外的には不正でも、社内的には、組織存続のために不正であると分かっていても実行するような環境は論外です。


不正な指示を出さないことが大前提ですが、そのような指示を受けたら「No」と言える環境を作り出さなければなりません。不正な指示であるかないかにかかわらず、Noを言ったがために、左遷、つまはじきにするような風土を持っているところは駄目です。
コミュニケーションにおいて、オープンで、透明性を上げた組織作りをしなければなりません。
そのためには、日頃から、法令順守のトレーニング、eラーニングなどを活用して、継続的に啓蒙していかなければなりません。
また、その進捗状況を文書化して、残すことが必要になります。
オープンな組織を土台として、経営層、監査部門は、業務モニタリングの仕組みを活用し、不正がないかどうかをチェックしなければなりません。不正が発見されると、それを是正するための処置も講じなければなりません。
管理職は、ワークフローを活用して、日報を電子化し、日々の活動をチェックすることが必要になります。また、稟議書、契約書などを電子化することも必要になるかもしれません。
現場では、業務プロセスを標準化し、ワークフローなどを活用して業務遂行を自動化することが必要になります。ITを利用した業務遂行では、そのログデータを保管しなければなりません。
IT部門では、システムテストの文書化、運用・管理の文書化が必要になります。
これらの従業員トレーニングの進捗状況、業務モニタリング記録、承認記録、システムのテスト計画、テスト結果、業務プロセス実行ログなど、膨大なデータと文書化を行い、業務遂行が不正なく行われていることの証明をしなければなりません。
これらの文書を管理するためのコンテンツ管理システムも必要になります。
したがって、ITを活用するといっても、最低限、ワークフロー、コミュニケーション、アーカイブの機能を持つものにしなければなりません。
日本版SOX法対応のため、基幹システムにERPなどのソリューションを採用する場合でも、これらの機能が十分活用できるとどうかが、ソリューション決定のポイントとなります。
パッケージ選定の評価ポイントが増えるというわけです。
では、ITを活用した日本版SOX法対応は、目的でしょうか。
単に日本版SOX法対策のために、IT化に多額の費用を投じるのではなく、対策をきっかけにして、企業改革を行うことが目的になると思います。
日本版SOX法で求められるように、企業の内容や、業務プロセスの流れまでデータ化し、すべてオープンな環境を構築し、活用できるようになれば、自ずと新しい組織風土を構築することになります。
さらに企業や従業員に活力ややる気が生まれ、情報公開による「見える経営」を行うことで、新しい企業へと生まれ変わることができると思います。
「日本版SOX法に対応しなければならない」という消極的な考え方から、「日本版SOX法対応を契機として、新しい組織風土を作る」という積極的な考え方に切り替えたほうが良いのではないかと思います。

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