事例:IT成熟度を高め、社内の情報システムを整備する
これは、ITコーディネータとして、ITコーディネータプロセスを活用し、IT戦略策定、IT資源調達を実施した事例です。
中堅不動開発販売業のD社は、業容が成長するに従い、管理する物件数が飛躍的に伸び、手では管理できない状態になりました。自社開発物件は、用地の周辺環境調査、購入契約書、設計書、必要機関への届け出、顧客とのやりとり、顧客との契約書など非常に多くの種類の文書を管理しなければなりません。
依頼を受け、まず、IT成熟度調査を行いました。その結果、成熟度段階で1に近い2という状況でした。社内では、グループウェアとしてLotus Notesを使用しており、その担当者が社内の情報システムを管理しており、パソコンに強い社員がサポートしているような状況でした。
このような環境を念頭に要求定義を実施すると、
- 現在使用しているLotus Notesを継続使用し、できればそのデータベースを利用する形で構築したい
- 自社開発物件は、企画の段階から、販売後のサポートまで物件のライフサイクル全体を管理できること
- 他社紹介物件は、紹介された時点からクローズするまでを管理できること
- マイルストンを設定し、物件がどのような状況か判断できること
- 担当者が社外からモバイルでアクセスし、物件の状況を確認できること
- データの形で管理できる文書はすべて電子化し、契約書など紙ベースで管理しなければならないものは、スキャンデータを取り込むこと
- 利用頻度の高いファックスをデータとして自動的に取り込み、ファックスを受信すると、担当者のメールボックスに連絡が入ること
- 担当者のPCからファックスを送信できること
- 担当者が社外からモバイルでアクセスし、物件の状況を確認できること
などに集約できました。これらの要求をすべて満たすシステムを開発しても、社内の状況が追いついていかず、身の丈に合ったシステムとはならないことは明白で、まず、社内の整備を行うこととしました。
具体的には、
- 情報システム部門を設置し、専任者を置く
- 情報システム関連の開発規程、運用規程、セキュリティ規程などの規程を整備する
- 情報システムに関する業務フローを確定する
などを実施し、終了後、RFPを作成し、開発ベンダー選定に入りました。
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